今年、令和元年は泉鏡花没後80年に当たります。
鏡花は昭和14年(1939)9月7日に65歳で亡くなりました。没後80年を契機に泉鏡花を偲んでさまざまな企画が開催されていますが、いくつかを紹介します。
まずは鏡花所縁の聖地とも言うべき金沢の泉鏡花記念館です。
泉鏡花記念館開館20周年記念特別展 「鏡花をオクル―没後80年―」
泉鏡花記念館は鏡花没後60年を記念して創立されたので、没後年を基準にするといつも60年短いということになります。
「家族は、そして友人たちはどう〝送った〟のか。克明な記録をもとに鏡花を〝オクル〟一年を辿ります。」がテーマです。
上記は鏡花葬儀時の写真です。
・開催期間
前期:2019年9月7日(土)~10月7日(月) ※31日間
後期:2019年10月11日(金)~11月10日(日) ※31日間
休館:2019年10月8日(火)~10月10日(木) ※一部入れ替えのため
・主な展示
[前期]
天皇陛下御下賜白絹二匹 慶應義塾図書館蔵
尾崎紅葉自筆軸 慶應義塾図書館蔵
泉鏡花「両頭蛇」自筆原稿 慶應義塾図書館蔵 他 約30点
[後期]
横山大観羽裏画黒羽織 慶應義塾図書館蔵
小村雪岱画「鏡花選集」表裏見返し原画 慶應義塾図書館蔵
泉鏡花遺稿 慶應義塾図書館蔵
小村雪岱画鏡花一周忌記念文箱蓋裏原画 泉名月遺族蔵 他 約30点
神田紅の挿絵講談 「絵草紙 月夜遊女」公演
日時:9月26日午後6時半
場所:国立演芸場
神田紅は1982年から「滝の白糸」「高野聖」など、鏡花の名作を芝居仕立ての創作講談にして発表してきましたが、新しいテーマとして「絵草紙 月夜遊女」を取り上げます。
同書の挿絵(山村浩二)をプロジェクターでスクリーンに投影しながら活弁士ふうの講釈を行います。
シネマ歌舞伎・グランドシネマ 特別興行
泉鏡花原作の下記全4作品が没後80年にちなんで、東京・東劇ほか鏡花所縁の石川県など全国で特別公開されている。ちなみにシネマ歌舞伎・グランドシネマで作品化されている鏡花作品はこの4作品がすべてで、すべて玉三郎の主演・演出となっている。
天守物語

- 初演月:2009年(平成21年)7月
- 上演劇場:歌舞伎座
- シネマ歌舞伎公開日:2012年1月21日
- 上映時間:117分
演出
戌井 市郎、坂東 玉三郎
天守夫人富姫:坂東 玉三郎、姫川図書之助:市川 海老蔵、亀姫:中村 勘九郎、薄:上村 吉弥、小田原修理:市川 猿弥、舌長姥:市川 門之助、朱の盤坊:中村 獅童、近江之丞桃六:片岡 我當
日本橋

- 初演月:2012年(平成24年)12月
- 上演劇場:日生劇場
- シネマ歌舞伎公開日:2014年3月21日
- 上映時間:147分
演出
斎藤 雅文、坂東 玉三郎
稲葉家お孝:坂東 玉三郎、瀧の家清葉:高橋 惠子、葛木晋三:松田 悟志、笠原信八郎:藤堂 新二、雛妓 お千世:斎藤 菜月、植木屋 甚平:江原 真二郎、五十嵐伝吾:永島 敏
海神別荘
- 初演月:2009年(平成21年)7月
- 上演劇場:歌舞伎座
- シネマ歌舞伎公開日:2012年2月18日
- 上映時間:103分
演出
戌井 市郎、坂東 玉三郎
美女:坂東 玉三郎、博士:市川 門之助、女房:市川 笑三郎、沖の僧都:市川 猿弥、公子:市川 海老蔵
高野聖
ロケーションを初めて取り入れて、シネマ歌舞伎を新たな高みに。
実写部分も含めて、すべての編集を玉三郎が一人で担当。

- 初演月:2011年(平成23年)2月
- 上演劇場:博多座
- シネマ歌舞伎公開日:2012年3月17日
- 上映時間:89分
補綴・演出
石川 耕士、坂東 玉三郎
女:坂東 玉三郎、宗朝:中村 獅童、親仁:中村 歌六