樋口一葉の『たけくらべ』自筆原稿でそのやさしい筆跡を知る

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樋口一葉「戸籍名 樋口奈津(夏子、奈津子、なつ子とも)」
「1872年5月2日(明治5年3月25日)- 1896年(明治29年)11月23日)」

樋口一葉の名前を知らない人はいないでしょうが、その筆跡にまで関心を持つ人は少ないかもしれません。

樋口一葉はその短い生涯にも拘らず、たけくらべ・にごりえ・十三夜などの傑作を残しました。

ただ生前に刊行された書籍は手紙の模範文を示した実用書『通俗書簡文』だけです。満24歳で亡くなる年の5月に博文館から『日用百科全書』シリーズの一巻として刊行されています。鏡花も博文館に頼まれて原稿を催促にいったとのことです。
なお、森まゆみが『かしこ一葉 「通俗書簡文」を読む』でその内容を詳しく紹介しています。

没後、その二十三回忌記念として友人の馬場胡蝶が中心となり一葉の原稿をもとに下記の『たけくらべ(真筆版)』を刊行しました。

編者によると原本は罫のある原稿用紙に書かれていて、振り仮名は朱でつけられているとのことです。

『たけくらべ(真筆版)』にみる一葉の筆跡

同上の活字版

同書の詳細

序文は幸田露伴と島崎藤村。
口絵は鏑木清方。
鏡花も「一葉の墓」という文章を寄せています。
他には佐々木信綱、戸川秋骨など。


口絵:鏑木清方


編者として名前が出ている「樋口邦子」は一葉の妹です。

『うもれ木』の雑誌掲載の書影

『うもれ木』は一葉が20歳の時に雑誌『都之花』95~97(明治25年、金港堂)に掲載され初めて原稿料を貰った作品です。
萩の舎の田邊たつ子が序を寄せ、挿絵は武内桂舟です。

一葉をテーマとした鏑木清方の作品はこちら

 

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