鈴木清順の映画「陽炎座」は原作として鏡花の「陽炎座」を挙げています。
映画の一部は鏡花の「陽炎座」を引いていますが、大部分はオリジナル脚本で清順なりのイメージを膨らませています。
鏡花「陽炎座」との繋がりは映画ラスト近くの芝居小屋です。
芝居小屋の崩落も見所ですが、私的には大楠道代と水の中から沸き上がって広がる朱色のほうずきです。
この圧倒的な映像だけでも、この映画を見る価値はあります。
鏡花の「陽炎座」
鈴木清順の映画「陽炎座」 昭和56年(1981)
カラー作品 35mmスタンダード、上映時間:2時間19分、シネマプラセット作品、日本ヘラルド映画配給、製作:荒戸源次郎
監督:鈴木清順、原作:泉鏡花、脚本:田中陽造、撮影:永塚一栄、美術:池谷仙克、照明:大西美津雄
キャスト:松田優作、大楠道代、加賀まりこ、大友柳太朗、原田芳雄、中村嘉葎雄、楠田枝里子
あらすじ
時は大正末年にして昭和元年の一九二六年。
松崎春孤という新派の劇作家が、たび重なる偶然によって知りあった品子という謎の美女の巧妙な誘いにたぐり寄せられて、女たちの愛憎と官能の世界に踏み込み、木の葉のように翻弄されながら、現世ともあの世ともつかぬあやかしの世界をさまよい歩く。
公開時パンフレット
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