鰭崎英朋(ひれざき えいほう・1880~1968)は美人画で人気を博した画家。東京に生まれ17歳で浮世絵師・右田年英(みぎた としひで)に入門、日本画を展覧会に発表しつつやがて挿絵画家としての名を確立しました。
英朋が本領を発揮したのは小説や文芸雑誌の巻頭を飾る口絵です。英朋は物語のヒロインの感情を繊細に描き出して読者を魅了し、明治・大正期の文学界を彩りました。
ただ、挿絵に集中したため、忘れられた存在になってしまっているのが残念です。
肉筆画
「上杉謙信」第9回日本絵画協会第4回日本美術院連合絵画共進会に出品され、褒状2等を受賞。
20歳の時の作品
画集 「うた姿」 大正5年5月
出典:ヤフオク
落札価格: 42,010円(2021.12 ヤフオク)
泉鏡花の作品口絵
『続風流線』口絵 春陽堂 明治38(1905)年8月
『参宮日記』木版画 大正3年1月 春陽堂
その他作家の口絵
泉斜汀著『深川染 前編』口絵 明治40年(1907)
後藤宙外著『五日市』 口絵 至誠堂書店 明治43年9月
柳川春葉著『かたおもひ』 口絵 金尾文淵堂 大正3年(1914)
柳川春葉著『誓』前編 口絵 至誠堂書店 大正4年(1915)6月
柳川春葉著『誓』中編 口絵 大正6年(1917)
多色刷り木版装 田山花袋 『 お八重 』 春陽堂 大正6年
雑誌口絵など
「新小説」 明治39年1月
出典:ヤフオク
「演藝倶楽部」口絵 大正1年9月
木版口絵 「瀬川菊之丞」
「文藝講談」口絵 大正13年1月
出典:ヤフオク
表紙・口絵が英朋なので、当時の人気のほどが分かる。
(目次右端を参照のこと)
口絵原画・絵葉書など
縁端 出典:ヤフオク
「秋の声」『婦女界』第22巻第3号 表紙原画(朝日智雄氏蔵)
「去年今年」『淑女画報』第1巻第8号 口絵差し上げ(小池光雄氏蔵)
※「差し上げ」とは原画や彩色の指示をした絵です。
嫦娥(じょうが)天女 出典:ヤフオク
朝比奈三郎 出典:ヤフオク
春昼後刻 出典:ヤフー
「続風流線」モチーフ 出典:ヤフー
石版画
「子守り」校正摺(弥生美術館寄託)
「有明」『新婦人』第2巻5月之巻 口絵(朝日智雄氏蔵)
展覧会チラシほか
「天才絵師・鰭崎英朋の美人画 -朝日コレクション 明治・大正の木版口絵より」 佐野美術館
「鰭崎英朋展」 太田記念美術館