作家名を冠する文学賞(泉鏡花以外)一覧

芥川賞や直木賞はポピュラーですが、他にも作家名を冠した文学賞はたくさんあります。泉鏡花文学賞の受賞者・選定委員と比較すると面白いかもしれません。

全部挙げるとさすがに多すぎるので、
・受賞対象が人では無く、既発表作品(公募の賞は除く)が対象
・2019年現在も継続して実施されているもの
に限定して、あいうえお順に記載しました。

泉鏡花文学賞については下記を参照ください。

泉鏡花文学賞の受賞者と選考委員一覧、選考理由と受賞者の感想・書影も
泉鏡花文学賞は金沢市が主催する文学賞で、泉鏡花生誕100年を記念して昭和48年(1973年)に制定されました。 全国規模の地方自治体主催の文学賞としては、初めての試みです。 知名度では芥川・直木賞に劣りますが、文学賞としての内容の高さは...

芥川龍之介賞

芥川龍之介の業績を記念して、友人であった菊池寛が1935年に直木三十五賞(直木賞)とともに創設し以降年2回発表される。第二次世界大戦中の1945年から一時中断したが1949年に復活した。新人作家による発表済みの短編・中編作品が対象となり、選考委員の合議によって受賞作が決定される。受賞者には、正賞として懐中時計、副賞として100万円が授与され、受賞作は『文藝春秋』に掲載される。

選考委員は、小川洋子・奥泉光・川上弘美・島田雅彦・高樹のぶ子・堀江敏幸・宮本輝・山田詠美・吉田修一の9名(2018年上半期から)。

大藪春彦賞

大藪春彦賞は、大藪春彦賞選考委員会が主催し、徳間書店が後援する大藪春彦を記念した文学賞。ハードボイルド小説・冒険小説に分類される小説に与えられる。賞金は500万円。略称は大藪賞

大佛次郎賞

日本語の散文作品として質が高い作品、人間精神への鋭い洞察を含む作品、歴史・現代文明の批評としての意義が高い作品に与えられる。公募推薦も踏まえた予備審査を経て、選考委員の協議により受賞作が決定される。受賞者には賞牌と賞金200万円が授与される。

大佛次郎賞受賞作・候補作一覧1-46回|文学賞の世界

織田作之助賞

第1回(1984年)から第22回(2005年)までは未発表の作品を受け付ける公募新人賞としておこなわれ、受賞作は『関西文学』に掲載された。第15回作品より文藝春秋の協賛があり『文學界』に掲載された。

第23回(2006年)より制度を変更し、単行本を対象とする「大賞」と、公募新人賞としての機能を残した「青春賞」を授賞することとなった。

「大賞」は第26回(2009年)までは舞台、登場人物、題材などが関西(近畿2府4県)に関わりのある小説・随筆・評論・評伝の単行本を授賞対象としていた。第27回(2010年)以降は、その限定をはずし、対象作品を「新鋭・気鋭の小説」とするようになった。現在の選考委員は、河田悌一、高村薫、田中和生、辻原登、湯川豊の5名。受賞者には賞金100万円が与えられる。

岸田國士戯曲賞

岸田國士戯曲賞は、当初の新劇戯曲賞が改称され現在に至っている。創設時の名の通り新劇の作家に与えられる賞として始まったが、1960年代後半からは脱新劇的傾向のある小劇場作家も多く受賞するようになっていった。受賞者には正賞として記念時計、副賞として賞金が贈られる。

柴田錬三郎賞

柴田錬三郎賞は、集英社が主催し、一ツ橋綜合財団が後援する文学賞。1988年に柴田錬三郎の業績を称えて創設され、以降年1回発表されている。前年の7月1日から、当年の6月30日までに刊行された小説を対象とする。受賞者には正賞として記念品、副賞として300万円が授与される。

司馬遼太郎賞

司馬太郎賞は、財団法人・司馬太郎記念財団が主催する文芸・学芸・ジャーナリズムを対象とした賞。第8回までは人やグループに対して授与されていた。第9回より小説・評論を対象とした著作に授与されている。

毎年年末に発表され、翌年2月12日(菜の花忌:司馬遼太郎の命日)に菜の花忌シンポジウムの会場で授賞式が行われる。選考は、

  1. 最初に、報道機関関係者・作家・学者・文化人にアンケートをして候補作品を選び、
  2. 次に、司馬遼太郎記念財団を構成するマスコミ11社の候補選定委員会がアンケート結果から候補を選定し、
  3. 最終的に、選定作品の中から選考委員の合議によって決定される。

受賞者には正賞として懐中時計、副賞として100万円が授与される。

島清恋愛文学賞

島清恋愛文学賞は、金沢学院大学が運営する、恋愛小説を対象とした文学賞

1994年、石川県美川町が町村合併40周年を記念して、同町出身の作家島田清次郎にちなんで1994年に創設した(2005年の市町村合併により白山市主催となる)が、2011年を最後に廃止された。しかし、推薦委員が独自に存続させる意向を示し、地元の文芸者を中心に設立された民間団体「日本恋愛文学振興会」に運営を移行するかたちで2013年より再開されたが、運営が困難になったことから、2014年からは北陸地方で唯一文学部を有する金沢学院大学が運営を継承した。現在の選考委員は藤田宜永、小池真理子、村山由佳、秋山稔(金沢学院大学長・泉鏡花記念館長)の4名、受賞者には正賞として賞状、副賞として50万円が贈られる(白山市主催時代は、正賞にブロンズ像、副賞として100万円が贈られていた)。

城山三郎賞

城山三郎賞は、角川文化振興財団が主催する日本の文学賞である。2014年(平成26年)に創設された。

城山三郎の名を冠した賞としては、ダイヤモンド社主催の「城山三郎経済小説大賞」(「ダイヤモンド経済小説大賞」から改称)が存在していたが、2012年(平成24年)発表の第4回をもって終了している。

受賞は、選考委員の合議によって決定される。受賞者には賞状、記念品ならびに副賞100万円が授与される。選考対象は、前年6月1日から当年5月31日までに刊行された、日本語で書かれた書籍で、「小説、評論、ノンフィクションを問わず、いかなる境遇、状況にあっても個として懸命に生きる人物像を描いた作品、あるいはそうした方々が著者である作品」とされている。

谷崎潤一郎賞

谷崎潤一郎賞は、中央公論社が1965年の創業80周年を機に、作家谷崎潤一郎にちなんで設けた文学賞である。中央公論新人賞(1956年開始)を発展解消させる形で開始された(なお、中央公論新人賞は1975年に復活し20年間続いた)。

時代を代表する優れた小説・戯曲を対象とし、発表は年1回、受賞作発表と選評の掲載は『中央公論』誌上で行われる。受賞は選考委員の合議によって決定される。受賞者には正賞として時計、副賞として100万円が授与される(なお、当初の正賞は賞牌で、副賞は第15回まで50万円だった)。

坪田譲治文学賞

坪田譲治文学賞は、1984年12月に岡山市が制定した文学賞である。岡山市名誉市民の坪田譲治の業績を称えるとともに、創作活動の奨励と市民文化の向上とを目的としている。 9月1日を基準日として、前1年間に刊行された文学作品の中から、大人も子どもも共有できる優れた作品を1点選考。受賞者には正賞としてメダル(鳥の少年蛭田二郎作)、副賞として100万円が授与される。

現在の選考委員は、阿川佐和子、五木寛之、川村湊、高井有一、西本鶏介、森詠。

鶴屋南北戯曲賞

鶴屋南北戯曲賞は、光文文化財団が主催する、新作戯曲を対象とした文学賞である。受賞者には正賞としてブロンズ像、副賞として賞金200万円が与えられる。 選考委員は現役の演劇記者であり、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、日経新聞、東京新聞、報知新聞、共同通信から一人ずつ出る。

直木三十五賞

直木三十五賞は、無名・新人及び中堅作家による(ただし、現在は下記のとおり、このカテゴライズは実質上、無効化している)大衆小説作品に与えられる文学賞である。通称は直木賞

かつては芥川賞と同じく無名・新人作家に対する賞であったが、1970年代あたりからに中堅作家中心に移行、近年では長老クラスの大ベテランが受賞することも多々ある。

直木賞の非公式サイト「直木賞のすべて」
第1回から現在までの直木賞について、受賞者・受賞作、候補者・候補作、選考委員、選評の概要、その他、直木賞に関するさまざまなデータ、情報をまとめています。

中山義秀文学賞

中山義秀文学賞は、中山義秀顕彰会が主催、白河市と中山義秀記念文学館の共催で行われる、日本の歴史小説・時代小説を対象とした文学賞である。
1993年4月5日に福島県西白河郡大信村(現在の白河市)に設立された「中山義秀記念文学館」の開館を記念して創設され、以来中山義秀顕彰会と大信村の主催、大信村教育委員会と中山義秀記念文学館の共催により行われていたが、大信村が市町村合併により白河市となってから現在の運営者に移る。受賞者には正賞と賞金100万円、大信特産米のコシヒカリ1俵が授与される。第9回(2003年)からは文学賞としては唯一の公開選考を行っている。

新田次郎文学賞

新田次郎文学賞は、公益財団法人新田次郎記念会が主催する文学賞である[1]。前年に初めて刊行された作品で、形式の如何を問わず、歴史、現代にわたり、ノンフィクション文学、または自然界に材を取ったものを対象とし、年1回『小説新潮』(新潮社)にて発表されている。受賞は選考委員の合議によって決定され、受賞者には正賞としてバロメーター(気圧計)、副賞として100万円(2012年現在)が授与される。

野村胡堂文学賞

昭和を代表する作家である野村胡堂を顕彰する目的で、日本作家クラブが主催する。選考対象は前年度に商業出版された時代小説と歴史小説。ただし、実行年度より2年以内に出版され、会員の推薦を受けた作品を含む。

受賞者には賞金30万円が贈られる。『銭形平次 捕物控』の作者として知られる野村胡堂は、日本作家クラブの初代会長であった。野村家当主で、野村胡堂・あらえびす記念館の館長である野村晴一が選考に協賛している。

舟橋聖一文学賞

舟橋聖一文学賞は、彦根市が、2007年に彦根城築城400年を記念して、文化の振興の面から新たな飛躍と発展をめざして創設した文学賞である。1年間に新しく単行本として刊行された優れた小説が対象とされる。

三島由紀夫賞

三島由紀夫賞は、作家・三島由紀夫の業績を記念し新潮社の新潮文芸振興会が主催する文学賞。略称は「三島賞」。新潮社は新潮社文学賞(1954-1967年)、日本文学大賞(1969-1987年)を主催してきたが、それに代わるものとして、三島没後17年の1987年(昭和62年)9月1日に創設され、翌1988年(昭和63年)に選考・授与が開始された。

三島由紀夫は新潮社と付き合いが深く、『愛の渇き』『潮騒』をはじめ、書き下ろしの小説を何冊も出し、晩年は『豊饒の海』四部作を雑誌『新潮』に連載した。没後は新潮社から全集が出され、小説と戯曲の多くが新潮文庫に収録された。新潮社が芥川賞・直木賞と同種のカテゴリーを要求しつつ新しい才能を求めるべく打ち出したのが、三島由紀夫賞と山本周五郎賞である。

対象は小説、評論、詩歌、戯曲の「文学の前途を拓く新鋭の作品一篇に授与する」としている。2013年(平成25年)時点では、候補作・受賞作のほとんどは小説作品である。

選考会は5月中旬頃(前年の4月1日から選考年の3月31日までの発表作品が選考対象)。受賞作家には、記念品および副賞100万円が授与される。

紫式部文学賞

紫式部文学賞は、京都府宇治市と市の教育委員会が主催する、同市ゆかりの文学者紫式部の名が冠された文学賞である。前年1月1日から12月31日までに発表された、女性作家による日本語の文芸作品・文学研究を対象とする。受賞者には正賞としてブロンズ像、副賞として200万円が授与される。

山田風太郎賞

山田風太郎賞は、KADOKAWA(社内ブランド・角川書店)と角川文化振興財団が主催する日本の文学賞。山田風太郎の独創的な作品群と作家的姿勢への敬意を礎に有望な作家の作品を発掘顕彰するため、2010年に創設された。毎年9月1日から翌年8月31日までに刊行された日本の小説作品を対象とする。受賞者には正賞として記念品、副賞として100万円が授与される。

山本周五郎賞

主に大衆文学・時代小説の分野で昭和期に活躍した山本周五郎にちなみ、すぐれた物語性を有する小説・文芸書に贈られる文学賞である。主催は新潮文芸振興会、後援は新潮社。

長年にわたり新潮社が開催した日本文学大賞の後継イベントとして、純文学を主とする三島由紀夫賞とともに1988年に創設された。略称は主に「山本賞」や「山周賞」(「山本賞」という名称の賞は他のジャンルにも存在しているので区別するため)と呼ばれている。

選考対象は、前年4月から当年3月までに発表された小説とされているが、実際はその期間に発行された単行本が対象になることが大半である。

受賞は、選考委員の合議によって決定され、年1回5月に発表される。受賞者には正賞として記念品、副賞として100万円(2006年現在)が授与される。

第4期までは選考会の全記録を文章化して、結果発表の場である『小説新潮』に掲載するなど、直木賞との違いを明確に打ち出していた(第5期から選考委員1人ずつの選評に変わったが、それでも他の雑誌と違い1人3ページずつと長めに掲載されている)。

ちなみに、山本周五郎は、直木三十五賞において授賞決定後に辞退をした史上唯一の人物である(第17回『日本婦道記』にて)。

吉川英治文学賞

吉川英治文学賞は、公益財団法人吉川英治国民文化振興会が主催し、講談社が後援する文学賞。大衆小説が対象。1967年に設置されて以来、年1回発表されている。受賞は選考委員の合議によって決定される。当初は功労賞的な側面が強かったが、近年は具体的な作品が対象とされている。受賞者には正賞として賞牌、副賞として300万円が授与される。1980年以降、平行して運営されている吉川英治文学新人賞が新人もしくは中堅を対象にしていることもあり、ベテランの作家が受賞するケースが多い。

現在の吉川英治文学賞の前身は、吉川英治の寄付金をもとに1962年2月に創設された「吉川英治賞」。第1回の受賞者は須知徳平であったが、1966年に賞の運営が毎日新聞社から吉川英治国民文化振興会と講談社に移管され、現在の制度になった

吉川英治文学新人賞

吉川英治文学新人賞は、公益財団法人吉川英治国民文化振興会が主催し、講談社が後援する1980年から創設された文学賞。以降年1回発表されている。受賞は選考委員の合議によって決定される。受賞者には正賞として賞牌、副賞として100万円と置時計が授与される。新人賞という名ではあるが、実態としては中堅の作家が候補者・受賞者の多くを占め、デビュー30年近い受賞者も存在する。

吉川英治文庫賞

吉川英治文庫賞は、公益財団法人吉川英治国民文化振興会が主宰し、講談社が後援する文学賞。シリーズ大衆小説が対象。

2016年、吉川英治文学賞・吉川英治文化賞が第50回の節目を迎えるのを機に創設。

5巻以上続くシリーズ大衆小説のうち、12月1日から翌年11月30日までに5巻目以降が一次文庫で刊行されたものが対象となる。選考は、講談社を含む出版社の代表各社1名、識者、出版流通関係者など約50人で構成される選考委員の投票によって決定される。最終選考の開票には、選考委員に加えて前回受賞者(第1回は森村誠一)と逢坂剛が立会人(第1回は吉川英治国民文化振興会理事長の吉川英明)として立ち会う。

渡辺淳一文学賞

渡辺淳一文学賞は、株式会社集英社と公益財団法人一ツ橋綜合財団が主催する文学賞。
作家・渡辺淳一の功績をたたえ、集英社により創設された。純文学・大衆文学の枠を超えた、人間心理に深く迫る豊潤な物語性をもつ小説作品が顕彰される。2015年4月23日、創設することが発表される。対象は、日本語で書かれた小説単行本および単行本未刊行の文庫とされる。受賞作品は、『すばる』および『小説すばる』で発表される。受賞者には、正賞の記念品と副賞の賞金200万円が贈られる。

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